最後まで愛して
昨日友人が新しいバイクを買った。
引き取って自走で帰って来たところを襲撃して見せろ~、と一番乗りでこのVFR750と対面させてもらった。
1990年式であります。
一見すると綺麗に見えますが
それは写真写りにすぎませんw
劣化した所は錆びているし、フォークからオイルも漏れている。
外装は前の持ち主が適当にやったのか酷いものだ。
「墓場から拾ってきたの(笑)」
彼は古びて投げ売りになっているようなバイクを買って来てレストアするのが大好きなのだ。
「このエキパイの錆具合、この全体的なヤレ感。も~ワクワクしちゃう!」
普通だったら綺麗でピカピカのバイクを買った方が手間がないのにね(^^;
でもこの子は、墓場で放置されていたところを彼が救い出して来なかったら
もしかしたらそのまま朽ちてしまう運命だったかもしれない。
もう一度綺麗に磨かれて補修されて
新しい命を吹き込まれて
春になる頃にはまた明るい空の下を走り出すのです。
良かったなあ、お前ホントラッキーな子だ。
モノは物でしかない、と言うのはそれを持つ人間の心の問題だ。
それが物だから、古びたり壊れたりすれば買いなおせばいいや、と
修理をする、手間をかけると言うことをしない人が多い。
安いものを買って、安物だから壊れたら買い替えればそれでよし。
とりあえず今お金ないから間に合わせでいいや、と適当なものを急ぎ買う。
こんな風にして手に入れたもの、て
結局後で大切にされなかったりする。
だけど考えて考えて、お財布に痛い思いをしてでも
ホントに良いと思えるものを買ったなら
そんな粗末な扱いができるはずもない。
そこまでするの?
と言うぐらい物を大切にする人は
滅多に買い物をしない、と言うのも頷ける。
「だって捨てるのが嫌だから。」
気になる事があれば手をかけ自分で工夫し
壊れたら修復する努力をする。
保管に気を遣い、使い方も丁寧。
物に対する感謝や、考え抜いて買った自分のお気に入りに対しての愛情があるかないか。
物を大切にできない人間、て結局愛情も薄いような気がしてしまう。
何台かのバイクに乗り継いできた自分も
今手元にある2台にとても満足しています。
手放した子達も、最後の最後に新品の部品を取り付けたり塗装しなおしたりして
次のオーナーが喜んでくれるようにして手放しました。
なんでも無慈悲に捨ててしまう在り方は愛情からは程遠い。
自分が愛してあげるものならとことん愛してあげる
自分が使えないのなら少しでも良い状態で次の持ち主を見つけてあげる。
その子のエンジンの鼓動がやがて止まるその日まで
何処かで元気に走っていてもらいたいから。
あなたは何かを買う時、どのぐらい考えて買いますか?
どのぐらい欲しいと願い続けて買いますか?
考えて考えて、どうしてもそれが必要だ、と言う切実な想いが募ったら
間に合わせの物はきっと買えないはず。
欲しい、と思ったら
ちょっと一呼吸。
どうしても欲しいと思ったら
妥協しない
あなたの手の中にやってきた愛しいモノに
最後の最後まで愛情を注いであげましょう。