ちゃんとわかってるよ
自分で産んだ孫
そう呼んで可愛がってきた末っ子もこの春で中学生だ。
発達障害でホントに手のかかる赤ん坊だったけど
今となっては、私がいなければ夜も日も暮れず泣いてばかりいたあの頃が懐かしい。
兄姉が歳が離れているせいもあって、いつまでたってもチビちゃんだと思っていたのだけど
いつのまにこんなに大きくなったのだろう、と時にビックリさせられる。
いつも携帯ばっかり見ている末っ子とも
そうそう会話することもなくなったけれど
別に仲が悪いわけでもなく
でも、もういつも一緒ではなくなった。
珍しく用事があって、塾の帰りに待ち合わせをした。
いつもなら車で迎えに行ってしまうのだけど
駅前の用事だったので自転車で向かった。
二人で買い物をした帰り道
菜の花が満開だから見に行こう、と誘ってみた。
自転車の後ろに乗ってみる?
「大丈夫かな?」
ズッシリと体重がかかる。
保育園の頃、自転車で送り迎えして以来だね。
そう言えばもっと小さかった頃は
バイクの後ろにも乗せて走ったっけ。
もう大人と同じ大きさだ。
時の過ぎる早さを想う。
渦中の頃はいつまでこんな苦労が続くんだろう、と思ったけれど
過ぎてしまえば思い出でしかない。
何とか普通の世の中で生きてこれたね。
保育園の頃から訓練に通った甲斐があったのかな。
今でも変わり者だけど
変わり者なんていくらでも居る世の中に
普通に埋もれていて欲しい。
もうそろそろわかっていると思うけど
ちょっとだけ他のみんなとズレてしまう時がこれからもあると思う。
でももう大丈夫かな。
この世の中の一から百まで
全部ママに聞かなくても
段々わかるようになったかな。
学校に行って来るだけでクタクタで
帰ってきたら寝てばかりのお前を
私はなまけものだなんて思わない。
たったそれだけの
普通の世の中での生活をするだけで
全精力を使い果たしていることぐらい
ちゃんとママわかっているからね。