バイク乗りの春
「おお~、見事に骨がのっかってる!」
先生も驚きのスピード回復でありました。
これだけ回復していればもう痛みはないでしょう、と言う先生の判断の元
「リハビリを開始してください。」
のお言葉をいただくことができました。
リハビリ、と言っても何か通ってしなくてはならないわけではなく
「普通の生活に戻れるように努力してください。」
と言うものだった。
「筋力も体力も落ちています。少しずつね。」
普通の生活。
私にとってそれは
バイクのある生活!
「ギアチェンジ、う~ん。ちょっと痛みがあるかもしれないから慎重にね。」
ハイ、慎重にリハビリします!
全治1か月、とわかっていても
長く長く感じられた療養生活に
終りが見えてきた日
外は寒くとも、心は春のように暖かい日だった。
しばらく走らないでいる内に、世の中はちゃんと季節が移り替わっていた。
走る道にはたくさんのバイクが居て
すれ違うバイクが手を上げて挨拶してくれたりする。
みんな嬉しそうだ。
バイク乗りにとって
やっと乗れる
やっと走れる
春は天国
嬉しくて嬉しくて
行きかうバイクにみんな挨拶して
嬉しいね、楽しいね、て
言葉じゃなくて伝わる
バイク乗りの挨拶をしたくなるのだ。
杉花粉?
モロですよ、モロ浴び
苦しいですね(笑)
寒くても暑くても、花粉でもみんな自分の身体で体感するのがバイク。
ヘルメットの中で、マスクの上にネックウォーマーを鼻まで上げて
実はニンジャみたいな姿で走っていても
それでも幸せなの。
それはそれは重たい冬装備を脱いで
軽快に走る春の道。
やっと私にもその日が見えてきました。
療養の冬眠からちょっとずつ目を覚まし
暗い穴倉から這い出して
またあの場所へ行ける日を目指して
やっと暖かい春の日差しが
私の元へも届くようになりました。