サヨナラも愛情いっぱいに
車なんかもそうなんじゃないかと思うのですが
バイク、て一対一の乗り物なせいか
感情移入の度合いが凄いんですね。
人にもよるのかもしれないんですが、私はもう生きて意思の疎通のできる相棒みたいな感じになってしまいます。
人も物もそうですけど
大事に想っているもの、てどんな理由でもお別れは寂しいものです。
このkawasaki Z750Ⅰ型はホントに愛着がありました。
今のZ650に乗り換えるまでこれに乗っていたんですね。
最後までこの子に乗りたいと、そう思っていた一台でした。
自分の足が悪くなり、正直な所病気をしてから体も弱ってしまい
195キロで自分には車格が大きかったこの子に乗り続けてあげる事ができないと
そう諦めがつくまで1年かかってしまいました。
最後は塗装をして部品を取り換えて
外せば売れるようなオプション部品も全部そのままに
綺麗な姿で、まだ買い手がつく内に、と手放しました。
その前は見た目はあんまり変わらないですが同じZⅠ型の1000ccに乗っていました。
総重量230キロ、大きさは変わらないのですが重量はハンパなく重かった。
自分みたいな非力なもんがリッターバイクに乗れる。
しかも限定車のこの美しい子にはホントベタ惚れでした。
嬉しくて嬉しくて走り回っていたのもつかの間
どうも走り方が合わないのか使い方が違うのか
タイヤがひと月もするとすり減ってなくなってしまう。
どう頑張っても2か月もたない。
バイクのタイヤ、て高いんです。
ワンセット5万円ぐらいします。
ひと月おきに50000円、維持できるわけがありません(;^_^A
この特別仕様が仇になって、自分の走るフィールドには向かなかった、と理解し
泣く泣く乗り換えました。
お別れの日
ものすごく寂しかったのをおぼえています。
一人では耐えられそうもなくて、お友達に来てもらいました。
二人でトラックで遠く九州へ運ばれていく後姿を
べそべそ泣きながら見送りました。
一番愛情を持って手放した、と自負しているのはこのHONDA CBR400RR
何処かで埃をかぶって眠っていた子を起こすところから始めた出会いで
なおしてもなおしても何処かが壊れる。
それでも良いと思えるぐらい楽しいバイクでした。
壊れた所をできる限りなおし、かかったお金が3桁に到達する頃
自分にはここまでだ、と力尽きました。
何処かで眠っていた子が
綺麗に塗装し、磨き、新しい部品をふんだんに使い
そして元気に走れるようになった。
私は彼が蘇るために手を貸しただけだったけど
今も何処かで走っていてくれる、と信じている。
もうこいつとはお別れできそうにない、と
ずっと乗り続けているのはこのバリオスⅡだけ。
でも私の手を離れていったあの子達が教えてくれた事は今もちゃんとこの走りの中に経験値として残っている。
人間も物も、出会いは偶然ではなく自分で選び取ったものであり
別れもまた自分で決める。
理由はそれぞれでも、出会ったことに意味はきっとあったのだと思う。
だから辛くても忘れない。
お別れのその時も
精一杯の愛情と、その先の幸せを願って別れたいものだ。