明日春が来たら
肌を刺すようだった冷たい風が温くなって
春の使者がやって来る。
私は相変わらず折れた足を引きずって冬ごもりだけど
明日は君に会いに行こう
そこにはいつもと違う時間が待っている。
去年と違う色に見える春。
桜の木はずっと変わらずにそこに立っていて
相変わらず春になれば花を咲かせる。
だけどそれを見上げる人の心は変わっていく。
その心の在り様で
春の景色も色を変える。
去年の貴方は何見てた?
出会いがあれば別れもめぐって来る春。
さようならの後は、もう二度と会えないかもしれないけれど
一緒に見た春の残像は
心の中にちゃんと残っている。
今までの春がそうであったように
これから先も増えていく
短い春の景色は
出会いも別れもみんな宝物。
これから先
ずっと一緒に春の景色を見よう。
私はずっと変わらないでいるから
貴方も変わらないでいて
遠い昔からずっとそこに立つ桜の木のように
何度も巡り来る春の残像を
共に見た景色を
一緒に走る相変わらずの道を
たくさん一緒に思い出せるように
ふ、と瞬きする間に過ぎてゆく
美しく短い季節
だけどずっと忘れない
美しい春
今年の春は
どんな色?