バリⅡ日記の独り言

自閉症児3人と親の介護をしながらの楽しいバイクライフ   日々をよりよく生きるための独り言

自閉症の我が子達 1




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私は天使を産んだのかと思うぐらい

 

それは可愛らしい長男でした。

 

子供ができない体だ、と言われていたのに突然妊娠してしまい

 

当時学生だった事もあって、二人して恐る恐る親に報告に行ったものだった。

 

そうしたら私の両親は諸手を上げて大喜びしたのだ。

 

孫は抱けないかもしれない、と思っていた両親は自分の娘がまだ学校に通っていることなんかどうでもいい事のようだった。

 

大学ではゼミの教授が当時の学長で、相談に行くと

 

「産め!赤ん坊抱いて卒業式に出ろ!」

 

と後押ししてくれた。

 

子供なんて欲しいと思った事はなかった。

 

およそ母性と言うものと縁遠い人生だったので、自分にもそんなもの育ってなかった。

 

でもこれだけみんなに祝福されているのだから、きっとこの子は産まれてくる運命なんだと思って堕胎の選択はハナッから持っていなかった。

 

そして生まれた世にも美しい我が子に、母性なんて欠片も無いと思っていた自分がちゃんと母親にさせてもらったような気がする。

 

 

 


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だが2歳にならない内に保育園のクラスの外の子の保護者から、検査を受けてみた方が良いと勧められた。

 

その方は看護婦だったので、ある程度息子の様子を見るだけで異常に気が付いたのだろう。

 

でもまだ子供が子供を産んだに等しい自分には何故検査がいるのかさえもわかっていなかった。

 

3件病院を回った。

 

何処へ行っても結果は同じで

 

「典型的な自閉症ですね。」と言う結果だった。

 

カナータイプと言う知的障害も自閉症の症状も最重度の部類だと言うことだった。

 

 

 


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その後どんなに検査を受けても違う答えは出てこなかった。

 

どうしたら治るのか、と聞いて医者に苦笑されたのを今でも覚えている。

 

学校を卒業してすぐにできた長女を背に背負って、いつまでたってもちゃんと歩けぬ息子をバギーに乗せて歩く日々。

 

まるで双子でも産んだかのような生活。

 

自閉症、て何?

 

どうしてやったら良いの?

 

私の子供は普通には育たないの?

 

 

成長するほどに奇異な行動が目立つようになり、あんなに可愛がっていたのに障害があると分かった途端

 

実の父親は息子に見向きもしなくなり、時に小さな息子が吹っ飛ぶぐらい手を上げることもあった。

 

 

家庭が崩壊するのにそれほど時間はかからなかった。

 

 


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今ならわかる。

 

自閉症の傾向を持った人間なんてそこいら中にいる。

 

変わり者の自分もそうだし、おそらくあの元夫もそうだったのだろう。

 

いわゆる健全な人間が作り上げたこの世界で生きにくい思いをしている隠れ自閉症の人がたくさんいる。

 

自分でもそんなことに気付きもしていない。

 

なんで自分はみんなと違うんだろう、と言うクエスチョンを抱えつつ

 

みんなどうにかして折り合いをつけて生きている。

 

しかし上手く適材適所にハマれた人は遺憾なくその才能を発揮し、歴史に名を残しさえしている。

 

人類が選択しなかったもう一つの進化の方向。

 

 

そうは言っても

 

長男はその中でも最重度でした。